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【両国の歯医者が解説】歯肉退縮とは?歯茎が下がる原因とセルフケア・治療法

2026.06.10

「最近、歯が長くなった気がする」

「歯と歯茎の境目がしみる」

「歯茎が下がってきて、歯の根元が見えてきた」

このようなお悩みを感じたことはありませんか?

これらは「歯肉退縮(しにくたいしゅく)」と呼ばれる、歯茎が下がってしまう状態のサインかもしれません。

歯肉退縮は、年齢を重ねた方だけのものではなく、若い方にも起こることがあります。少しずつ進行するため気づきにくく、「いつの間にか歯茎が下がっていた」という方も少なくありません。

この記事では、歯肉退縮の原因からセルフケア、治療の選択肢まで、歯科医師の立場からわかりやすくご説明します。

実際に当院でも、
「歯磨きのときに歯茎から血が出る」
「冷たいものがしみるようになった」
「鏡を見たら歯が長くなった気がして不安になった」
といったご相談をいただくことがあります。

歯肉退縮は、すぐに痛みが出るわけではないため、つい後回しにされがちなお悩みです。しかし、放っておくと知覚過敏やむし歯のリスクにつながることもあります。当院では、そのお気持ちや生活背景にも耳を傾けながら、まずは「なぜ歯茎が下がってしまったのか」という原因をしっかり確認することを大切にしています。


目次

  1. 歯肉退縮とはどんな状態?
  2. 歯茎が下がる主な原因
  3. 歯肉退縮が進むとどうなる?
  4. 歯肉退縮の予防・対処法
  5. 歯科医院での治療の選択肢
  6. 当院での治療例
  7. よくある質問(Q&A)
  8. まとめ

1. 歯肉退縮とはどんな状態?

歯肉退縮とは、歯を支えている歯茎(歯肉)が下がり、本来は歯茎に覆われているはずの歯の根元(歯根)が露出してしまう状態のことを指します。

健康な歯茎は、歯の根元をしっかりと包み込んでいます。ところが、さまざまな原因によって歯茎が下がると、歯が実際よりも長く見えたり、歯と歯の間にすき間が目立つようになったりします。

イメージしやすい例で説明すると——

歯と歯茎の関係は、植木鉢に植えられた木に似ています。土(歯茎)がしっかり入っていれば木(歯)は安定していますが、土が減って根が見えてくると、木は不安定になり、外からの刺激にも弱くなります。歯肉退縮は、これと似た状態と考えていただけるとイメージしやすいかもしれません。


2. 歯茎が下がる主な原因

歯肉退縮は、一つの原因ではなく、いくつかの要因が重なって起こることが多いとされています。代表的なものをご紹介します。

① 強すぎる歯磨き(オーバーブラッシング)

「しっかり磨かなければ」という思いから、力を入れすぎたり、硬い歯ブラシでゴシゴシ磨いたりすると、かえって歯茎を傷つけてしまうことがあります。良かれと思った習慣が原因になっているケースは、意外と多く見られます。

② 歯周病

歯周病が進行すると、歯を支える歯茎や骨が少しずつ失われていきます。これにより歯茎が下がり、歯肉退縮が進むことがあります。歯肉退縮の背景に歯周病が隠れていることも少なくありません。

③ 歯ぎしり・食いしばり

就寝中の歯ぎしりや、日中の無意識な食いしばりによって、歯に過剰な力が加わると、歯茎や骨に負担がかかり、歯肉退縮につながることがあるとされています。

④ 歯並び・咬み合わせ

歯並びが乱れていると、特定の歯に力が集中したり、歯磨きがしにくくなったりして、部分的に歯茎が下がりやすくなることがあります。

⑤ 加齢による変化

年齢を重ねると、歯茎も少しずつ変化していきます。加齢は自然なことですが、適切なケアによって進行をゆるやかにすることが期待できるとされています。


3. 歯肉退縮が進むとどうなる?

歯肉退縮は見た目の問題だけではなく、お口の健康にもさまざまな影響を及ぼすことがあります。

知覚過敏(しみる症状)

歯の根元は、歯の頭の部分(エナメル質)に比べて刺激に弱い構造になっています。歯茎が下がって根元が露出すると、冷たいものや歯ブラシの刺激で「しみる」と感じやすくなることがあります。

むし歯のリスク

露出した歯の根元は、むし歯になりやすい部分とされています。「根面う蝕(こんめんうしょく)」と呼ばれ、進行に気づきにくいことがあるため注意が必要です。

見た目への影響

歯が長く見えたり、歯と歯の間にすき間(いわゆる「ブラックトライアングル」)が目立つようになったりして、口元の印象が気になる方もいらっしゃいます。

歯のぐらつき

歯周病をともなって歯肉退縮が大きく進んだ場合は、歯を支える力が弱まり、歯がぐらついてくることもあります。


4. 歯肉退縮の予防・対処法

歯肉退縮は、日々のケアで進行をゆるやかにしたり、予防したりすることが期待できます。

① 正しいブラッシングを身につける

力を入れすぎず、やさしく磨くことが大切です。

  • 歯ブラシは「やわらかめ〜ふつう」を選ぶ
  • ペンを持つように軽く握ると力が入りすぎにくい
  • 小刻みに動かして、歯と歯茎の境目をていねいに磨く

② 歯ぎしり・食いしばり対策

就寝中の歯ぎしりが疑われる場合は、マウスピース(ナイトガード)の使用が選択肢になることがあります。気になる方は歯科医院でご相談いただくとよいでしょう。

③ 定期的な歯科検診

歯肉退縮はゆっくり進むため、自分では気づきにくいものです。3〜6ヶ月に一度の定期検診で歯茎の状態を確認してもらうことで、早めの対処につながります。


5. 歯科医院での治療の選択肢

歯肉退縮の治療は、その原因や進行度に応じてアプローチが異なります。

① 原因へのアプローチ

まずは、歯肉退縮を引き起こしている原因(歯磨きの仕方・歯周病・歯ぎしりなど)を確認し、それに対処することが基本とされています。ブラッシング指導や歯周病の治療、咬み合わせの調整などが含まれます。

② 知覚過敏への処置

しみる症状がある場合は、薬剤の塗布などによって症状をやわらげるアプローチが取られることがあります。

③ 歯肉移植術(歯周外科)

歯茎が大きく下がっている場合には、ご自身の他の部位から歯茎の組織を移植して、下がった部分を覆う「歯肉移植術」という方法が検討されることがあります。歯周外科の分野に含まれる処置です。

大切なこと: どの方法が適しているかは、原因や進行度、お口全体の状態によって異なります。歯科医師による診断と、患者様との十分な話し合いのもとで選択することが推奨されます。


6. 当院での治療例

症例の概要

本症例は、前歯の歯茎が下がり、歯が長く見えることと知覚過敏を主訴に来院された患者様です。診査の結果、ブラッシング圧や歯肉の状態を確認したうえで、下がった歯茎を改善するために歯肉移植術(歯周外科処置)を実施しました。

治療内容

主訴歯茎が下がった・歯が長く見える・しみる
術式歯肉移植術(歯周外科)
対象部位下顎前歯部
治癒期間術後経過観察を実施

治療前・治療後の口腔内写真

【治療前】
歯茎が下がり、歯の根元が露出して歯が長く見える状態です。
 

【治療後】
下がっていた歯茎が回復し、歯と歯茎のバランスが整っています。

担当歯科医師より

歯肉退縮は、原因を確認せずに見た目だけを改善しようとすると、再び後戻りしてしまうことがあります。当院では、なぜ歯茎が下がったのかという背景を確認したうえで、その方に合った方法をご提案することを大切にしています。

※ 本症例写真は患者様の同意を得て掲載しています。
※ 治療効果には個人差があります。
※ すべての方に同様の結果が得られることを保証するものではありません。
※ 詳しくはご来院のうえ、担当医にご相談ください。

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お電話でのご予約:03-3634-3250


7. よくある質問(Q&A)

Q. 一度下がった歯茎は元に戻りますか?

A. 自然に元に戻ることは難しいとされています。

下がってしまった歯茎が、セルフケアだけで自然に元の位置まで戻ることは一般的に難しいとされています。ただし、原因に対処することで、それ以上の進行を防いだり、ゆるやかにしたりすることは期待できます。見た目の改善を希望される場合は、歯科医院で治療の選択肢についてご相談いただくとよいでしょう。

Q. 歯磨きのときに血が出ます。やめたほうがいいですか?

A. 自己判断で磨くのをやめるのは、おすすめできません。

歯磨きで血が出る場合、歯茎に炎症が起きているサインのことがあります。磨くのをやめるとかえって悪化することもあるため、磨き方を見直すことが大切です。正しいブラッシング方法については、歯科医院でご案内することができます。

Q. 若いのに歯茎が下がるのはなぜですか?

A. 年齢に関わらず起こることがあります。

強すぎる歯磨きや歯ぎしり、歯並びなどが関係して、若い方でも歯肉退縮が起こることがあります。「まだ若いから大丈夫」と思わず、気になる場合は早めに確認されることをおすすめします。

Q. 放っておくとどうなりますか?

A. 進行すると、しみる症状やむし歯のリスクが高まることがあります。

歯肉退縮はゆっくり進むため気づきにくいのですが、放置すると知覚過敏や根面のむし歯につながることがあります。早めの対処が大切です。


8. まとめ

歯肉退縮について、ポイントを改めて整理します。

  • 歯肉退縮とは、歯茎が下がって歯の根元が露出する状態のこと
  • 原因は多様で、強すぎる歯磨き・歯周病・歯ぎしり・歯並びなどが関わる
  • 進行すると、知覚過敏やむし歯、見た目への影響が出ることがある
  • 毎日のケア(正しい歯磨き・定期検診)で進行を防ぐことが期待できる
  • 気になる症状があれば、早めに歯科医院へ相談するのがおすすめ

歯茎が下がるお悩みは、痛みが少ないぶん「様子を見よう」と先延ばしにされがちです。しかし、早めに原因を確認することで、進行を防ぎ、将来の歯を守ることにつながります。当院では、見た目だけではなく、その背景にある原因や患者様のお気持ちも大切にしながら診療を行っています。

「これくらいで相談していいのかな」
「自分の歯磨きの仕方が合っているか不安」

そのような小さな疑問でも、どうぞお気軽にご相談ください。一緒に、お口の健康を守る方法を考えていきます。

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※ 本記事の内容は一般的な情報提供を目的としており、個別の診断や治療の推奨を行うものではありません。お口の状態には個人差がありますので、具体的なご相談はかかりつけの歯科医師までお気軽にお申し付けください。